生命科学技術をめぐる倫理的・法的・社会的問題について、社会の意思決定に重要な役割を果たす「生命倫理委員会」。理論と事例をつなぐ立場から、公共政策としての生命倫理を体系的に論じる。.

劇的転換を求められている新たな生命倫理の案内書。従来、医療分野に集中しがちであった内容を生命科学全体とさらに関連する社会的緊急課題―環境・人口・難民・人種などにまで拡大、包括して最適任者が興趣ある解説 で応える。.

日本筋ジストロフィー協会は、シンポジウムは「遺伝子医療における社会的・倫理的問題を考える」を、平成10年度から12年度にかけて3回開催してきました。本書はこのシンポジウムの後半の2回の講演を中心に編集 されたものです。.

学内共同研究の成果である「熊本大学生命倫理研究会論集」シリーズは第６巻をもって一応完結し，これからは，国内外の研究者との共同研究を通じて生命倫理研究に貢献していきたい。その一環として，新しい論集を刊行 することになった。第１巻のテーマは「日本の生命倫理：回顧と展望」である。今の時期は，これまでの広範多岐にわたる活動を振り返るとともに将来を展望することが必要であろう。生命倫理の各領域の研究者に様々な観 点から執筆していただいた。大きく分けると「総論」，「自己決定・医療情報」，「生命と法」，「職業倫理」，「ドイツ・フランスへの視点」，「政策・学会」の６領域である。これでかなりの範囲がカバーできると思わ れる。続刊でもそれぞれのテーマについて論じつつ日本の生命倫理の現状と行方を示していく予定である。.

生命が今こそ、語り直されなくてはならない!文明論、歴史、メタ科学、経済批判、生権力の視点から。.

ケア概念の新しい解釈を機軸にして，生命と環境をめぐる倫理的諸問題を統一的に捉え，その構造と連関を読み解くとともに，安楽死やエンハンスメント問題等に対処する，従来とは異なる視点も提示している。また，日本 文化の基底にケア的なものを見出すことによって，本書は日本的な生命倫理の可能性を問うものでもある。.

動物実験、生殖補助医療、クローン、再生医療、遺伝子組換え...技術と倫理が交差する「生命の現場」のための画期的入門書。.

動物にとどまらず、あらゆる存在の解放をめざす包括的正義の理論へと至った批判的動物研究を初めて本格的に紹介。.

現代人が直面する、安楽死、臓器移植、死刑といった倫理問題に、徳、善、良心、愛を基礎として、読者と共に考えぬく強靱な思索。.

生物学・医学をはじめとする科学技術の進展は本当に社会を変えたのか?むしろ従来の歪みを露わにしただけなのではないか?生殖技術から、幹細胞研究、うつ病治療、そして福島第一原発事故にいたるまで、人々の生を選 別し分断する社会の現在を鋭く分析する。.

Post-war Japan has seen profound and rapid social change and transformation. One of the most visible areas of change in Japan has been medicine, and particularly the ethical practices and policies that guide medical decision-making. The formal discipline of bioethics, Seimei Rinri in Japanese, has grown by leaps and bounds since the late 1970s, when it began to appear in the curriculum and professional activities of Japanese medical schools and philosophy departments. The introduction of bioethics to Japan was timely, (...) as innovation in medicine and technology was evolving in ways that revealed that the intersection of medicine, traditional Japanese values, and new cultural trends was an area of great moral complexity. In its infancy, bioethics in Japan was more or less an import from the United States, where the discipline took its roots. Quickly, however, it became clear that Japan's history and tradition would call for a different approach, and the engagement of slightly different ethical issues. Organ transplantation, for example, sparked much greater controversy in Japan than it ever did in the United States. Today, Japan has one of the most dynamic bioethics programs in the world, and it is one that reflects both traditional Japanese culture and the need for inter-cultural engagement in an increasingly global world. Through a series of original chapters written by bioethicists and covering a range of ethical issues, this anthology shows that, in contrast to previous assumptions, Japanese bioethics has, in fact, taken on an identity that is undoubtedly separate from its American origins. Rich philosophical questions raised by medicine, human subjects research, and psychiatric care are being posed by scholars in a way that reflect Japanese tradition and is no longer simply reflective of, or shaped by, American traditions and philosophical problems. The book highlights and showcases these trends through a series of chapters written by some of the leading scholars in contemporary Japanese bioethics, many of whom were pioneers of the field when it began and are now nearing retirement. (shrink)

トリアージ、ワクチンの分配、ゲノム編集、さらに倫理、思想、文学、政治社会まで、様々な領域の喫緊の問題として「尊厳」を論じる。.

世界を騒がせた、理化学研究所のSTAP細胞事件。この背後には、日本の歪んだ科学行政があった。外圧によってもたらされた、分子生物学・再生医療分野の盛況と、潤沢すぎる研究資金。大学の独立行政法人化により伝 統と研究の自由を蹂躙され、政府・産業界の使用人と化した大学研究者たち。学術雑誌の正体と商業主義など、研究者を論文捏造に走らせる原因の数々を、筆者ならではの視点から、科学史を交えつつ鋭く指摘する。研究者 の自由を取り戻し、論文捏造を根絶するための提言も行なう。.

世界を騒がせた、理化学研究所のSTAP細胞事件。この背後には、日本の歪んだ科学行政があった。外圧によってもたらされた、分子生物学・再生医療分野の盛況と、潤沢すぎる研究資金。大学の独立行政法人化により伝 統と研究の自由を蹂躙され、政府・産業界の使用人と化した大学研究者たち。学術雑誌の正体と商業主義など、研究者を論文捏造に走らせる原因の数々を、筆者ならではの視点から、科学史を交えつつ鋭く指摘する。研究者 の自由を取り戻し、論文捏造を根絶するための提言も行なう。.

誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか? 歴史に残る不正事件をスクープ記者が追う。事件のその後も加筆した「完全版」。.

私たちの現実をこのようなものたらしめている「生命」。生命の内に何か新たなものが姿を現わす可能性としての「自由」。この二つの視点から捉えることで、私たちの現実が成り立っているさまを厳密に、かつ精密に描き 出す。現象学に立脚しながら、心の哲学、西田幾多郎の思想、現代の生命科学...などをめぐって展開する、スリリングで強靱な思考。.

あらゆるものごとを平準化する「デジタル化」の中で、人間の身体・脳・心や社会のしくみがいま大きく変容しつつある。「国民の欲望」の自己統治、新たな共同関係の創出、リスクをめぐる正義の対立の調整、人間観・存 在観の再構築。これらの課題群に対して、健康とエンハンスメント、脳と人格の改造、動物とロボットの境界、リスク言説と研究規制の根拠等を論じながら、システム倫理学の視点から大胆な解法を提示する。.

『倫理学』と並ぶ和辻哲郎の主著。古代から近代に至る倫理思想の展開とそれを支える社会構造の変遷を、宗教から文学まで視野に収めた壮大なスケールで描き出す試みは、日本思想の通史としていまだ類例がない。戦後ま もない1952年に刊行された本著は、これ自体が近代日本の思惟の可能性と困難を照らす生きた史料である。.

熊本大学生命倫理論集第3巻のテーマは「生命の価値」そのものである。生命倫理が前提とする生命という価値についての根本的問いかけに、哲学、倫理学、法学、医学、脳科学、生物学等の様々な分野の専門家が本気で取 り組み、学問の境界を越えた議論を展開する。.

新型コロナ対策でも注目された科学者の倫理とは? AI時代に科学とどう向き合うべきか? 最先端の研究をわかりやすく解説する。.