Abstract

生とは一体何か。また生はどのように現れるのか。それは、現象学において生活（としての）世界（Lebenswelt）として現れる。だが、フッサールが試みる生活世界の存在論は、狭義の生の現象学ではない。加えて、彼は生活世界を自我の超越論的生から理解する。この問題を解決するには、ハイデッガー、M.アンリ、レヴィナスによる様々な生の現象学があるが、それに対して徹底的な反論がある。生の現象学を凌駕するには、メルロ＝ポンティと共に、生きることの形而上学を取り上げる必要がある。それは、意識の様々な「段階」（驚き及び認識）、「豊かな矛盾」、「フェール（なす、作る、・・・させる）」（faire）等といった概念を通じて可能になる。